この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
危険な香りに誘われて
第21章 番犬注意
賢也は、耳を疑った。父親が殺されたのを知っているのは、極僅かな人間だ。
全身の毛が逆立つ。どこで、情報が漏れたのか。


『すぐ、こっちへ来てくれ。社長が・・・・・社長が、殺られちまった』

吉田の悲痛な声が、今も生々しく耳に残る。


父親は、腹部を数か所刺され、車の後部座席で死んでいた。
昔、祖父が組をやっていた頃に構えていた元事務所の側で。
閉店間際、最後の客を見送りに外へ出たスナックのママが、店の前で停まっているベンツに気づき、文句を言おうと窓を叩いた。
人影が見えるのに、無反応。怪しんだママが、ドアに手を掛け開くと、そこには、昔馴染みの男が、血だらけで、動かなくなっていた。

「ひぃっ、孝ちゃん、孝ちゃん。嘘でしょう」

驚いたママは、すぐさま広川へ連絡。近くで飲んでいた広川たちが、血相変え駆けつけた。
遺体になった父親を見て、広川は、冷静でいられなくなり、暴れ、そこらの看板やシャッターに当たり散らした。

「広、やめろ。通報されちまう。賢坊呼ぶから、大人しくしてろ」

吉田は、取り乱す広川を気にしつつ、賢也に電話を掛けた。

「くそっ、出ねぇ。何やってんだよ、こんな時に」

何度もリダイヤルし、賢也に連絡を取ろうとした。

『うるせぇなっ、今、忙しいんだ。何の用だっ』

ようやく出たと思ったら賢也が、電話の向こうで怒鳴り声をあげる。
吉田は、喉を詰まらせ、やっとの思いで声を出した。

「見坊、どこにいんだよ。何度も電話したんだぞ」

/505ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ