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危険な香りに誘われて
第21章 番犬注意
リビングに飾った犬の置物を目にすると賢也がニヤリと笑う。
いい物があるじゃねぇか。
手のひらサイズの陶器で出来たブルドッグ。
賢也は、それを手に取ると、真紀を連れ、玄関へ行き。

「今から、こいつが、うちの番犬だ」

シューズボックスの上に置いた。

「何?もしかして、私が出て行かないか、その子に見張らせるつもり?」

「噛みつかれないように、気をつけろよ」

真面目に言う賢也を見て、真紀がクスクス笑った。

「ふーん。危ない犬だね」

「見た目からして、怖そうだろ」

「もし出て行こうとしたら、どうなるの?」

「うーっ、ワンッ」

賢也が、牙を剥いて顔を近づけると真紀は、ケラケラ笑って。

「怖いから、大人しくしてまーす」

賢也に抱きついた。



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