この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
危険な香りに誘われて
第22章 裏切り者
店の扉を開け、黒服が引きとめるのも無視して、二人は、店内の一番奥でホステスに囲まれ、下品な会話をする男の前に立ちはだかった。
正木は、一瞬、顔を強張らせたが、足を組み換え強気な視線を返し、笑って見せた。
「これは、これは。誰かと思えば、オカザキの新代表」
「探しましたよ、正木さん」
「俺を?」
広川が、ホステスの肩を叩き、席を立たせると、その場から追い払う。
そして、正木の隣に腰を下ろし、アイスペールからステンレスマドラーを抜き取り、正木の顔の前にチラつかせ。
「俺たちが、お前を探している理由は、分かっているんだろう?」
「は?そんなもん分かるわけねぇだろ」
半笑いする正木の肩を抱き、耳にマドラーの先を入れた。
「板倉は、どこですか。ああ、違った。南条でしたね」
正木の目が泳ぐ。
「板倉?南条?さっぱり分からねぇな」
「とぼける気か」
「知らねぇって」
広川が、マドラーで耳の奥を突いた。
「ぐあああああーっ、あーっ、あーっ」
正木は、飛びあがり、突かれた耳を両手で塞ぎ、ひぃひぃ声を上げながらソファの上で、悶絶する。
「軽く突いただけだろ。大袈裟なんだよ」
広川が、ケタケタ笑い、頭を叩く。
「こんなことして、ただで済まされると思ってんのか。俺は、これでも工藤の幹部だぞ」
賢也は、テーブルに置いてあった空のグラスを掴み、テーブルの角にコツンと当てた。パリンと軽い音がして、グラスが割れる。
正木の髪を鷲掴みにし、割れたグラスを正木の目前に持っていくと口角を上げた。
「鼓膜だけじゃなく、目ん玉もいっときますか?」
正木は、一瞬、顔を強張らせたが、足を組み換え強気な視線を返し、笑って見せた。
「これは、これは。誰かと思えば、オカザキの新代表」
「探しましたよ、正木さん」
「俺を?」
広川が、ホステスの肩を叩き、席を立たせると、その場から追い払う。
そして、正木の隣に腰を下ろし、アイスペールからステンレスマドラーを抜き取り、正木の顔の前にチラつかせ。
「俺たちが、お前を探している理由は、分かっているんだろう?」
「は?そんなもん分かるわけねぇだろ」
半笑いする正木の肩を抱き、耳にマドラーの先を入れた。
「板倉は、どこですか。ああ、違った。南条でしたね」
正木の目が泳ぐ。
「板倉?南条?さっぱり分からねぇな」
「とぼける気か」
「知らねぇって」
広川が、マドラーで耳の奥を突いた。
「ぐあああああーっ、あーっ、あーっ」
正木は、飛びあがり、突かれた耳を両手で塞ぎ、ひぃひぃ声を上げながらソファの上で、悶絶する。
「軽く突いただけだろ。大袈裟なんだよ」
広川が、ケタケタ笑い、頭を叩く。
「こんなことして、ただで済まされると思ってんのか。俺は、これでも工藤の幹部だぞ」
賢也は、テーブルに置いてあった空のグラスを掴み、テーブルの角にコツンと当てた。パリンと軽い音がして、グラスが割れる。
正木の髪を鷲掴みにし、割れたグラスを正木の目前に持っていくと口角を上げた。
「鼓膜だけじゃなく、目ん玉もいっときますか?」