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危険な香りに誘われて
第22章 裏切り者
「あの日、俺を狙ったのもあんたか」
床に這いつくばり、正木が恐怖に顔を歪めたまま、首を持ち上げた。
「俺は、本部を追い出されたのに、若いお前は、いきなり本部で幹部登録。ちょっと脅してビビらせてやれって、舎弟に指示したんだ」
賢也は、軽く息を吐き、革靴で正木の顔を踏みつけた。
「うぐっ」
「お蔭で、俺の愛車に傷が入りましたよ」
足首を回転させ体重を掛けると、正木の開いた口からヨダレがダラダラ床に零れていく。
「で、南条は、どこに?」
「・・・・知らねえ。本当に知らねぇんだって。社長の遺体を昔の事務所前へ捨てに行かせたまま、会ってもいねぇし、連絡もとってねぇ」
「この・・・腐れ外道がっ」
「がはっ」
広川が、正木の腹に蹴りを入れた。
「死ねっ」
「ぐっ、げぇっ」
賢也は、足を下ろすとポケットからスマホを取り出し、ゴロゴロと床を転げ回る正木を尻目に根津へ電話を掛けた。
「親父を殺した男を見つけました。ええ、すぐに来てもらえますか。ところで南条は見つかりましたか?」
床に這いつくばり、正木が恐怖に顔を歪めたまま、首を持ち上げた。
「俺は、本部を追い出されたのに、若いお前は、いきなり本部で幹部登録。ちょっと脅してビビらせてやれって、舎弟に指示したんだ」
賢也は、軽く息を吐き、革靴で正木の顔を踏みつけた。
「うぐっ」
「お蔭で、俺の愛車に傷が入りましたよ」
足首を回転させ体重を掛けると、正木の開いた口からヨダレがダラダラ床に零れていく。
「で、南条は、どこに?」
「・・・・知らねえ。本当に知らねぇんだって。社長の遺体を昔の事務所前へ捨てに行かせたまま、会ってもいねぇし、連絡もとってねぇ」
「この・・・腐れ外道がっ」
「がはっ」
広川が、正木の腹に蹴りを入れた。
「死ねっ」
「ぐっ、げぇっ」
賢也は、足を下ろすとポケットからスマホを取り出し、ゴロゴロと床を転げ回る正木を尻目に根津へ電話を掛けた。
「親父を殺した男を見つけました。ええ、すぐに来てもらえますか。ところで南条は見つかりましたか?」