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危険な香りに誘われて
第23章 奪還
古いラブホテル。
駐車場の後ろが、部屋の扉へと繋がっている。
背中にナイフを突きつけ、薄暗い部屋へ押し込む。

ベッドの真ん中に転がし、仰向けになった真紀の太腿を跨ぐと、その光景を見て微笑んだ。

「さあ、真紀ちゃん。俺と最後の夜を楽しもうか」

真紀の口を塞いでいるテープをむしり取った。
ビッと剥ぐと、テープの粘着に唇や頬の皮が引っ張られる。

「痛っ」

テープを貼りつけられていた口の周りが、真っ赤になっている。
原田は、そっと指先を滑らせ。

「痛々しいな」

「誰のせいよっ」

「生意気な口だな。岡崎賢也にもそんな口きくのか」

「あんたに関係ない。のいてよっ」

パンッ。平手が頬に飛ぶ。髪を鷲掴みにされ、激しく揺さぶられた。

「犯される前に殺してほしいのか」

「あんたにやられるくらいなら、舌噛んで死んだ方がマシ」

原田は、ナイフを目の前にチラつかせた。

「だったら、殺してから、犯してやるよ。人間ってのは、死んでもすぐに硬直しないんだ。死んだ後でもセックスできる」
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