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危険な香りに誘われて
第23章 奪還
ダンダンと床を踏みつけるような足音に、二人は、ハッとした。
「離せっ、俺に触るなーっ」
「原田、大人しくしろっ」
原田の喚く声がする。真紀は、首を傾けた。警察に取り抑えられ連行される原田の姿が目に映る。そして人だかりの中に板倉を見つけた。
「板倉さん」
真紀が呼ぶと、板倉は立ち止まり、俯いていた顔を上げた。
「賢さん、真紀ちゃん、広川さん、吉田さん。謝っても許されないことをしでかして、俺、なんて言っていいか」
「あの世で、爺さんが泣いているぞ」
吉田の言葉に、板倉は、顔をくしゃくしゃにして涙を零すと、消え入りそうな声で「すみません」と言って深々頭を下げた。
警察に連行され部屋を出て行く板倉をそれぞれが、複雑な心境で見送った。
「救急車到着しました。担架入ります」
「離せっ、俺に触るなーっ」
「原田、大人しくしろっ」
原田の喚く声がする。真紀は、首を傾けた。警察に取り抑えられ連行される原田の姿が目に映る。そして人だかりの中に板倉を見つけた。
「板倉さん」
真紀が呼ぶと、板倉は立ち止まり、俯いていた顔を上げた。
「賢さん、真紀ちゃん、広川さん、吉田さん。謝っても許されないことをしでかして、俺、なんて言っていいか」
「あの世で、爺さんが泣いているぞ」
吉田の言葉に、板倉は、顔をくしゃくしゃにして涙を零すと、消え入りそうな声で「すみません」と言って深々頭を下げた。
警察に連行され部屋を出て行く板倉をそれぞれが、複雑な心境で見送った。
「救急車到着しました。担架入ります」