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危険な香りに誘われて
第23章 奪還
病院に搬送される救急車の中で、突然真紀が騒ぎだした。

「病院だめっ。無理っ、行けない」

「は?何言ってんだ。ちゃんと診察してもらえ」

「やだっ。家に帰るっ」

駄々を捏ねる真紀が、賢也を手招きする。

「なんだよ」

顔を近づける賢也に。

「下着見られちゃう」

ヒソヒソ声で打ち明けた。
賢也は、目を大きく見開き、真紀の体を眺めた。

「ぬ、脱ぐか」

「そんなこと出来ないって」

「でもよ、あれはマズイだろ」

「もーっ、賢也のせいだよっ。どーすんの。恥ずかしくって死ぬ」

今日の下着は、フルオープンのセット物だ。
小さな花柄のレースが、ほんの少しあしらっているだけの、トップ丸出しのブラ。
パックリ股の開いたショーツ。
賢也のお気に入りで、下着をつけたままセックス出来る仕様のフルオープンは、診察する時、身に着ける代物ではない。

「帰るーっ」

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