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危険な香りに誘われて
第24章 新芽
翌朝、目を覚ました真紀は、自分を抱き締めて眠る男の顔を見上げた。


賢也の側にいられるなら、それでいいと思いながも、またいつ賢也が、自分たちの関係に終止符を打つと言い出すか。そんな不安が、ずっとつきまとっていた。


指に光るプラチナリングは、生涯を共にしようと誓った証。

心も身体も満たされて。
幸せだ。

賢也も同じ気持ちだったらいいな。

「賢也」

名前を呼ぶと愛しい男は、片目を薄らと開いた。大きな手で、真紀の頬や髪を撫で。
目覚めのキスをする。

「おはよう、俺の奥さん」

「おはよう、私の旦那さま」

「お前も人妻だな」

「うーん、エッチな響きに聞こえちゃう」

「朝から、欲情するってか」

「うん」

賢也は、クッと含み笑いをし、妻を抱き締め。
要望に応えた。


「もっと、愛して、賢也」

「朝からハードな要求する人妻だな」

「だって、賢也の奥さんだもん」



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