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危険な香りに誘われて
第25章 愛妻家
昼食のあと、賢也は、社長室で広川たちに父親の書斎で見つけた箱を見せた。
束になった葉書、手紙。新聞の切り抜き。
そして父親の若かりし頃の写真。
「これは?」
広川が、訝し気な顔で訪ねた。
「親父の部屋から出てきた」
「社長が、どうして・・・」
「さぁな」
「観音像強盗殺人事件と、少女暴行事件の犯行グループ一斉検挙」
「この暴行事件は、また随分古そうだな。新聞の変色もかなりきつい」
「白黒の写真も相当古いな。一緒に写っているのは、誰だよ」
「見た事ねぇな」
二人は、顔を見合わせ、その記事を手に取り。
「まるでパズルのピースだな。どこをどうはめていいかも分からねぇ」
首を横に振った。
「その事件は、どちらも山口で起きている。山口へ行って、答えを探してきてください」
「また、行くのか?あのど田舎に?」
吉田が、あからさまに嫌な顔をする。うんざりした顔で、ため息までつく。
「明日にでも出発して、二つの事件を詳しく調べて報告してください」
敬語を使っているが、明らかに命令だった。賢也の納得する情報を手にするまで帰ってくるなと言っているのだ。吉田は、肩を落とした。
「年寄りしかいない、つまんねぇ村なんだ。毎晩マスかくのかよ」
不服を口にする吉田に向かって、賢也は、ニヤリと笑った。
「早く解決すれば、マスかく必要ありませんよ」
「よし、今夜は、パーッと飲みに行こうや。んで、女でも引っかけて、スッキリしてから行けよ」
「他人事だと思いやがって」
束になった葉書、手紙。新聞の切り抜き。
そして父親の若かりし頃の写真。
「これは?」
広川が、訝し気な顔で訪ねた。
「親父の部屋から出てきた」
「社長が、どうして・・・」
「さぁな」
「観音像強盗殺人事件と、少女暴行事件の犯行グループ一斉検挙」
「この暴行事件は、また随分古そうだな。新聞の変色もかなりきつい」
「白黒の写真も相当古いな。一緒に写っているのは、誰だよ」
「見た事ねぇな」
二人は、顔を見合わせ、その記事を手に取り。
「まるでパズルのピースだな。どこをどうはめていいかも分からねぇ」
首を横に振った。
「その事件は、どちらも山口で起きている。山口へ行って、答えを探してきてください」
「また、行くのか?あのど田舎に?」
吉田が、あからさまに嫌な顔をする。うんざりした顔で、ため息までつく。
「明日にでも出発して、二つの事件を詳しく調べて報告してください」
敬語を使っているが、明らかに命令だった。賢也の納得する情報を手にするまで帰ってくるなと言っているのだ。吉田は、肩を落とした。
「年寄りしかいない、つまんねぇ村なんだ。毎晩マスかくのかよ」
不服を口にする吉田に向かって、賢也は、ニヤリと笑った。
「早く解決すれば、マスかく必要ありませんよ」
「よし、今夜は、パーッと飲みに行こうや。んで、女でも引っかけて、スッキリしてから行けよ」
「他人事だと思いやがって」