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危険な香りに誘われて
第26章 嵐
住職の話を聞いた吉田は、加賀の待つ、ウイクリーマンションへ戻った。
ドアを開けた途端、なにやらいい匂いがして、鼻をヒクヒクさせる。

「お帰りーっ」

自分を出迎える元気な声を耳にし、にんまりした。自分一人なら、殺風景なホテルに帰り、空しく過ごしていただろう。
家具付のマンションにしようと提案したのは、加賀だった。とりあえず、2週間部屋を借り、始めた同棲生活。その暮らしは、なかなか悪く無い。

小さなキッチンをのぞくと、コンロの上で、鍋に入ったおでんがグツグツしている。

おでんで一杯か、いいな。

「美味そうだな」

「もっと美味しいもの欲しくない?」

加賀は、スカートの裾を捲った。誘惑する生足が艶めかしい。

帰れば、美味い飯を用意してもらい、好きな時にセックスが出来る。

「男の誘い方も教科書で習ったのか」

笑って、尻を撫でた。加賀の尻は、張りがあってみずみずしく、吉田の掌に心地よさを与える。

「インターネット。今は、なんでもネットで情報が手に入るんだから。おでんの作り方もネットだよ」

「セックスは、ネットじゃ教えてもらえねぇぞ。ここにいる間に、俺がちゃんと教育してやるよ」



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