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危険な香りに誘われて
第26章 嵐
耕太は、眠い目を擦りながら早朝の公園を目指した。
軽快に走るつもりが、日頃の運動不足が祟って、体は思うように動かない。
しかも、何故、ジャージ姿で、ランニングをしろと言われたのか、理由も知らされず走っているのだから、尚更気分が乗らない。
だが、賢也の命令となれば、従う他ないのだ。
指定された公園内からは、ラジオ体操の音楽が流れている。
早朝から真剣にラジオ体操をしている集団に交じって、青いジャージ姿の男を見つけた。
男の首には、目印のブルーと白のストライプ柄のスポーツタオルが引っかけられている。
耕太は、体操に汗を流す人の合間を縫って、青いジャージ姿の男に近寄った。
男と目が合うと、耕太は、隣で体操を始めた。
「曇ってきましたね」
棒読みのようなセリフを口にして、耕太は、俳優に向かないと悟った。
「今日は、午後から雨らしいからな」
「でも夜には止んで、星が見えるそうです」
男は、胸の内ポケットに手を入れUSBを指先でつまむと、スッと手を引いた。
ポトリと落ちたUSB。耕太は、屈伸しながらそれを拾い、黙ってポケットに入れた。
ラジオ体操の音楽が終わるのを待ち、耕太は黙ってその場から走り去った。
軽快に走るつもりが、日頃の運動不足が祟って、体は思うように動かない。
しかも、何故、ジャージ姿で、ランニングをしろと言われたのか、理由も知らされず走っているのだから、尚更気分が乗らない。
だが、賢也の命令となれば、従う他ないのだ。
指定された公園内からは、ラジオ体操の音楽が流れている。
早朝から真剣にラジオ体操をしている集団に交じって、青いジャージ姿の男を見つけた。
男の首には、目印のブルーと白のストライプ柄のスポーツタオルが引っかけられている。
耕太は、体操に汗を流す人の合間を縫って、青いジャージ姿の男に近寄った。
男と目が合うと、耕太は、隣で体操を始めた。
「曇ってきましたね」
棒読みのようなセリフを口にして、耕太は、俳優に向かないと悟った。
「今日は、午後から雨らしいからな」
「でも夜には止んで、星が見えるそうです」
男は、胸の内ポケットに手を入れUSBを指先でつまむと、スッと手を引いた。
ポトリと落ちたUSB。耕太は、屈伸しながらそれを拾い、黙ってポケットに入れた。
ラジオ体操の音楽が終わるのを待ち、耕太は黙ってその場から走り去った。