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危険な香りに誘われて
第27章 終止符
「親友を殺された親父は、何度も山口に行き、犯人捜しをしていた。あんたは、それを知っていましたよね」
堀田は、口を一文字に結んだまま、黙っている。
「このままでは、いずれバレる。だったら、先に消してしまおうと考え、正木に金を握らせ、親父を殺るよう指示した。そして正木は、報酬一億で、罪を被った。これが、使途不明金の行方です。ついでに言うなら、会社の派手な飲み代は、芦谷ですね。口止め料として、好き勝手させていた」
「ふんっ、何もかもお見通しってことか。で、俺をどうする気だ」
「それは、俺が決めることではありません」
賢也は、チラッと後ろの席に視線を送った。
「うおおおおおーっ」
突然、芦谷が唸り、立ち上がる。手には、拳銃。銃口は、賢也に向けられている。
「芦谷っ」
「邪魔する奴は、ぶっ殺すっ」
「やめねぇかっ」
奥のテーブルから怒鳴り声がして、堀田と芦谷は、ハッとした。
「さっさとチャカしまえっ」
「うあああーっ」
喚きながら震える手で、拳銃の引き金を引こうとする。
咄嗟に賢也が、芦谷の腕をつかみ、振り上げると。
パン、パンッ。乾いた発砲音のあと、パリンッ、ガシャッとガラスの割れる鳴音がした。
天井に向かって発砲したせいでシャンデリアの一部が落ち、絨毯にガラスの破片が飛び散っている。
「取り押さえろっ」
周囲にいた客に扮した警官たちが一斉に飛びかかり、芦谷は、敢え無く逮捕。床に平伏した状態で手錠をはめられた。
賢也は、肩で息をつくと、芦谷から奪った22口径の拳銃を警察に渡した。
堀田は、口を一文字に結んだまま、黙っている。
「このままでは、いずれバレる。だったら、先に消してしまおうと考え、正木に金を握らせ、親父を殺るよう指示した。そして正木は、報酬一億で、罪を被った。これが、使途不明金の行方です。ついでに言うなら、会社の派手な飲み代は、芦谷ですね。口止め料として、好き勝手させていた」
「ふんっ、何もかもお見通しってことか。で、俺をどうする気だ」
「それは、俺が決めることではありません」
賢也は、チラッと後ろの席に視線を送った。
「うおおおおおーっ」
突然、芦谷が唸り、立ち上がる。手には、拳銃。銃口は、賢也に向けられている。
「芦谷っ」
「邪魔する奴は、ぶっ殺すっ」
「やめねぇかっ」
奥のテーブルから怒鳴り声がして、堀田と芦谷は、ハッとした。
「さっさとチャカしまえっ」
「うあああーっ」
喚きながら震える手で、拳銃の引き金を引こうとする。
咄嗟に賢也が、芦谷の腕をつかみ、振り上げると。
パン、パンッ。乾いた発砲音のあと、パリンッ、ガシャッとガラスの割れる鳴音がした。
天井に向かって発砲したせいでシャンデリアの一部が落ち、絨毯にガラスの破片が飛び散っている。
「取り押さえろっ」
周囲にいた客に扮した警官たちが一斉に飛びかかり、芦谷は、敢え無く逮捕。床に平伏した状態で手錠をはめられた。
賢也は、肩で息をつくと、芦谷から奪った22口径の拳銃を警察に渡した。