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危険な香りに誘われて
第4章 捕獲
白い肌、くっきりと浮かぶ鎖骨。
無性に噛みつきたいと、賢也は、鎖骨に歯を立てた。

「あうっ。痛いっ。何したの」

「マーキング」

ニヤリと笑い、舌なめずりして見せた。全身に噛みつき、自分の跡を残したい。
真紀は、小さく首を横に振った。

「俺が嫌いか?」

嫌いとか好きなんて言葉では、言い表わせない気がした。この感情は、なんだろう。
自分でも、よく分からない。噛みしめる唇を賢也が、指でなぞった。
心臓が破裂しそうなくらい、ドキドキする。真紀は、躊躇いがちに口を開いた。

「好きも嫌いも・・・・」

言葉を遮るように、賢也は、真紀の唇に自分の唇を押しつけた。
柔らかな感触。今まで、感じたことのない感動。
キスが、こんなにも気持ち良いなんて、知らなかった。
もっと、俺に色んなことを教えてくれ。
賢也は、胸を熱くさせ、啄むようなキスを何度も繰り返した。

下唇を軽く噛むと真紀の唇から甘い吐息が漏れた。
嬉しくなって、舌を差し込むと、真紀の歯が、賢也の侵入を塞ぐ。

「開けろよ」

真紀は、ぷるぷると首を振り、顔を背けようとする。
真紀のおでこに手を置いて動けなくすると、賢也は、押しつけるように唇を重ねた。

「んっ」

歯を舌先で舐めると、真紀の体が硬くなる。嫌いで拒んでいるというより、慣れていない気がした。
真紀の指先が、ビクビクしている。

「んーっ」

いやいやと顔を横に振ろうにも賢也が、それを許さない。
歯だけじゃなく、口の周りまでもべろべろと舐め始めた。
耐えきれず、真紀は「やっ。それ、いや」と声を出した。
その隙を狙って、賢也の舌が強行突破、真紀の舌に絡みつく。

「ふっ、んんっ」

官能的な、激しいキスだった。

口の中を賢也に犯されて、真紀の息が荒くなる。

「はぁ、んんっ。賢也ぁっ・・・・」

うわ言のように賢也の名前を口にした。

「・・・・賢也ぁっ」

キスだけで、こんなに感じるなんて。
怖いよ。


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