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危険な香りに誘われて
第5章 虎の真紀
賢也は、まだ匂いを嗅いでいる。いい加減離してほしい。

「もういいでしょう」

「今、充電中」

「あほなこと言ってないで、離れてよ」

賢也の胸を押したが、ガッチリと拘束されたまま、動けない。

「しゃーない。高速充電にするか」

意味不明なことを言う。

「ふざけてないで、ご飯食べようよ」

賢也は、フッと息を零すように笑って軽く唇を重ねた。
頭を押さえこまれ深いキスに変わる。
賢也の舌が、真紀の舌に絡みつく。
息が出来ないほど激しい。

「んんっ」

ご飯食べる前に、賢也に食べられてしまうかもしれない。
それは嫌だ。
お腹空き過ぎて、体力が持たない。

「賢也、ご飯」

背中を叩くと、ようやく腕から解放された。

「飯食ったら、するからな」

賢也の光る眼に、ドキッとした。もう逃げられそうもない。
覚悟決めなきゃ。
真紀は、震える胸に手を当てた。

下着まだ決めてないよ。


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