この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
果てのない海に呑まれて
第10章 兄と弟と母と。



「おや、ミゲルじゃないか! 久しぶりだねぇ、今年の船旅はどうだったね?」



市場を歩けば、気の良さそうな市民がそこかしこから声を掛けてくる

その光景を見る限り、ファルツ家はこの街からとても慕われているように思えた



「レオン坊っちゃんは元気かい?」

「相変わらずやりたい放題で苦労している。少しは頭としての自覚を持って欲しいくらいだ」

「そこがあの子の良いところさ。ファルツ家はみんな気さくで良い方たちだよ」



果物屋のおばちゃんとミゲルが親しげに話していたところへ、旦那だろうか、さらに一人の男性が会話に加わる



「いや、あの金髪の奴ぁいけすかねえ。いっつも馬車の中からオレたちを見下してやがる」

「フェリペ坊っちゃんさえ生きてりゃあねぇ……」

「おばちゃん、その話は」



ミゲルの目が鋭く光り、警戒するように辺りを見回した



「レオンはもうその一件には口を出さないことにしているんだ。すまないが……」

「ああ、いいのいいの。あたしらこそ悪かったねぇ、嫌なこと思い出させちまって。

お詫びにこのオレンジ二つやるよ。もぎたてで美味しいからね。彼女と食べな」


/810ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ