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果てのない海に呑まれて
第12章 喧嘩するほど–––
レオンは目的の場所に到着し、そのドアを"叩こう"とした
「お、お待ちください」
側近は主人が向かっていた場所に驚き、焦り出した
レオンは怒ったような顔で後ろを振り向く
「なんだ」
「生理的なもの、だったはずでは……」
「そうだが?」
「ここはリリア様のお部屋です」
一番来てはならないところへ堂々とやって来た彼に咎めるような視線を送る
だがレオンはまるで側近のいうことの方がおかしいとでも言いたげに首を傾げた
「やはりお前は"ミゲルの代わり"としてはまだまだだな。これくらいのこと、あいつならすぐに分かるぞ」
「……?」
「男が女の部屋の前に来て"生理的なもの"だと言うんだ。そういうことに決まっているだろう」
「なっ……!」
側近はあまりの考えにさすがに呆れてしまった
「レオン様、それは"生理的なもの"ではなくただのお遊びです」
「馬鹿、何言ってる。こう見えても私はまだ十八だぞ。充分"生理的なもの"だろう」
「……」
側近がそのまま物も言えずにいるうちに、レオンはさっさと扉を開けて中に入ってしまった
「……本当にどうしようもない方だ」