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果てのない海に呑まれて
第14章 契り夜
レオンの言葉はーーー
「分かったか?」
何の根拠もないのに、何故だか絶対にそうだと思わせる何かがある
「…うん……」
リリアは力強い彼の腕の中で徐々に落ち着きを取り戻していった
深く息を吸い、顔を上げようと試みる
「……」
「……」
「……あの」
「なんだ」
「もう大丈夫だから……離して」
身動きが取れずに困惑するリリアをレオンは鼻で笑った
「簡単に離れないということは、離さないということだが?」
「いや…え……!?」
別に独占宣言は今に始まったことではない
だがーーー
「それってこういう意味なの!?」
「……」
顔は見えないが動きが止まったことから彼女が本気でそう思っていることが窺える
「ハァ……冗談の通じない奴だな、お前は」
レオンは呆れながら仕方なく体を離した
「え、え……?」
「もういい。今日は遅いから寝ろ」
と無理やり彼女をベッドに押し込む
「あ、ねぇ」
寝ろと言われたのにリリアはさらに口を開いた
「関係ないとは思うんだけど……ジェーニオのことで気になることがあったの。さっき彼の話をしていたみたいだから一応言っておこうと……」