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果てのない海に呑まれて
第14章 契り夜
「ただジェーンに関係する人間である可能性は高い。それは奴の立場などに関係あるのだが……まぁお前は気にするな。別に何が出来るわけでもない」
「……」
「それより」
レオンは急にリリアの顎を掴み顔を近付けた
彼女を覗き込むその目は鋭く、少し怒っているようにも見える
「何故ジェーニオと話したことをすぐに言わなかった?」
「え……だって言うほどのことでもないと思ったから……」
「二人きりでいたことをか? 何をするか分からん男だぞ」
「別に何もしないわよあの人は!」
レオンの彼を蔑むような口調に彼の心の中を垣間見てしまったリリアは思わず怒鳴った
「……」
「貴方のそういう態度が彼にそうさせてるんじゃないの?」
「……あいつと何があった」
レオンの顔が更に冷たくなり、対照的に瞳の奥の炎が一層燃え上がる
「さっき言ったこと以外に何を話した?」
「べ、別に何も……っ」
「私に嘘をつくか……良い度胸だ」
レオンはリリアの上に馬乗りになるとその両手を捉え頭上で押さえ付けた
「痛いっ」
力の籠もったレオンの手が彼女の手首に食い込む