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果てのない海に呑まれて
第14章 契り夜
「あいつがどんな人間で何故そうなってしまったのかはよく分かっている……あいつが生まれた時からずっと近くにいたからな。だからあいつの言動にいちいち何かを言うつもりはない」
「じゃあ何で……」
「…分からないか……」
レオンの問いにリリアは首を横に振った
「相手がお前だからだ」
「……っ」
「他の奴らが……例えばミゲルが何を言われようがここまでの怒りは覚えなかった。
なのに何故だろうな……」
感情的になる自分を嗤うようにレオンは口の端を歪める
「お前が私の惚れた女だからか」
リリアは顔がかぁっと熱くなるのを感じた
“ああ、もう……”
不意討ちはレオンの得意業だ
分かっているのに、毎回引っ掛かってしまう
それに−−−
言うことは変わらないのに、口にする度にその言葉に乗せられる想いは熱く、深くなってゆく
「お前を想うと抑えが効かなくなる」
レオンはそう囁くと赤く染まったリリアの耳をそっと噛んだ
「……っあ」
「あまり私を心配させるな……」
レオンの言葉に何度も頷いてみせるリリア