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果てのない海に呑まれて
第17章 細波



「ニノ!」



驚いて振り返ってみれば、そこには以前ミゲルが連れてきた少年が立っていた



「お、おいニノ! 失礼だぞ!」



彼の態度に他の部下たちが慌てて止めに入る



「だって…皆気にしてるみたいだったから……」



ここに来て日の浅いニノにはよくわからないらしい

だがレオンは怒ることもなく周囲を見渡し、急いで視線を外す部下たちに声を立てて笑った



「確かに、私たちは下らないことで随分皆を待たせてしまったようだな。よし、すぐに出発しよう。

……と言いたいところだが、その前にリリア、ちょっと来い」



レオンはリリアを手招きすると、ミゲルの手からベルトを受け取って彼女を柱の影に連れ込んだ



「全く…ミゲルに下心はなかっただろうが、ああも簡単に男に脚を開くとは……」

「変な言い方しないで! いいから早くそれを貸してよ!」

「裾が邪魔で自分では付けられないだろう」

「なら女の人を喚んで……」

「そんな暇はない」



顔を真っ赤にして怒るリリアに対して、レオンは何処か愉しげな笑みを浮かべている



「な、何よ……」

「何って、このままでは付けられない。裾を上げて押さえていろ」


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