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果てのない海に呑まれて
第3章 レオンという男
さぁ、と促すように海を指す
からかうような笑みを浮かべ、彼女が絶対に出来ないと分かっていて面白がっているのが伝わってくる
「ここにいるくらいなら……死んだ方がマシよ」
その言葉にレオンの顔から笑みが消えた
本気で海に向かって歩き出した彼女を引き寄せ、肩に担ぎ上げる
「ちょ、降ろして! 私のしたいようにするんだから!」
喚くリリアを再び部屋に連れ戻しベッドに押し付ける
「言っただろう、これで終わりではないと。お前にもう自由はない」
怒った彼の瞳がギラギラと異様な輝きを放っている
それは相手に"縛られた"と思わせるに十分なものだった
「……っ」
レオンの手がリリアの髪を撫でる
何をされるか分からない恐怖にリリアは体を固くしていた
「豊かな金色の髪…その美貌…若さ……売ったら高くつくだろうな?」
「……!」
冗談とも思えない
それでもリリアはこれで引き下がるほど臆病ではなかった
「売られたっていいわ……ここにいたってされることは同じだもの」
簡単には屈しない少女の意志にレオンは目を見開く
「では違うと思い知らせてやろう」