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果てのない海に呑まれて
第3章 レオンという男
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朝−−−
小窓から射す日の眩しさにレオンは閉じていた目をぎゅっと強く瞑った
日射しから顔を背け、腕で覆う
深く息を吸えば潮の香りが心地好く鼻を抜けた
「フー…」
満足気に息を吐いて隣を見る
そこには力尽きたように眠るリリアの姿があった
「寝ていれば可愛いんだがな……」
結局昨日は一度も屈伏させることは出来ず。
散々苛めた挙げ句二人とも倒れるようにして眠ってしまった
光を浴びて輝く彼女の髪を指に絡める
このまま悪戯してやろうか−−−
そう思って彼女の耳に唇を近付けたとき、小さくドアを叩く音がした
「おい、いつまで寝ているつもりだ? 話があるんだが」
ミゲルの催促にため息をついて起き上がる
静かに寝息を立てるリリアにそっと布を掛けなおし部屋を出た
「なんだ」
船を動かす強い風を全身に受けながらレオンは体を伸ばした
「……昨日一日、随分と楽しんだようだな」
「ああ、いいものを見つけた。まだ子供のクセにえらく反抗してくる」
「お前も子供だろ」
ミゲルは笑いながらそう言ったが、すぐに真剣な顔つきになる