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果てのない海に呑まれて
第18章 訣別

「リリア、新しいドレスだ」
「えっ……」
「着ていたやつは海の底に沈んでしまってな」
「それって……」
何か言いたそうに申し訳なさげな顔をするリリアにレオンは彼女の考えを察する
「いいんだ。それに平気そうな顔をしていたが、あれは少しキツくなっていただろう」
「え、まぁ……言われてみれば、確かにそうね」
「会った時より胸が大きくなったからな」
「なっ……」
思わず手で胸を隠すリリア
そんな彼女に笑ってレオンはまず下着を手渡した
「前のやつは乾かしたんだが塩水でボロボロになってしまったんだ。新しく買ってきたから、とりあえずそのシュミーズを着けろ」
「買ってきたって……誰が」
「ミゲルが」
「……」
とりあえずは何も言わずに後ろを向いてそれを着る
「おいで」
着終わったのを確認してレオンがリリアを呼び寄せた
"何だろう……今日のレオン、優しい……"
俯き気味に彼の傍に行くと、ドレスに袖を通すように言われる
「……綺麗な色ね」
「好きだろう? 前にも欲しそうに見ていたからな」
着るのを手伝いながらさらに言葉を続けた
「今回はちゃんと買ったぞ」

