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果てのない海に呑まれて
第19章 芸術の都
「……なるほどな」
「ですから、この後どうされるかはレオン様次第……」
「……おい」
ミゲルがレオンの背中を小さく肘で小突いた
「なんだ。まだ話は終わって……」
立ち並ぶ屋台の方を顎で示す
そこではリリアが一人で誰かと言葉を交わしていた
「…っ……あいつは何をやっているんだ!」
レオンはミゲルを連れてすぐに彼女の元へと急いだ
「リリア!」
「え、レオン!? ちょっ……」
初めて聞く彼の怒鳴り声に驚くと同時に強く腕を引っ張られる
「何故船から降りた! あの男と何を話したんだ!?」
「え、だって…貴方が降りたから……」
どうして彼はこんなに怒っているのか
もしや自分に聞かれたくないことでもあるのではないかーーー
「なんでそんなに焦っているの? ただ港に降りたというだけで」
「なんで……だと?」
レオンの声が震える