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果てのない海に呑まれて
第19章 芸術の都
「あんたら…後ろの二人、すげー良いもん持ってるよ」
「そうか。まぁわざわざ言われなくても分かっていることだがな」
レオンは全く相手にしない
リリアを引き寄せ、そのまま通り過ぎようとした
「ちょっと待ってよ。オレたちさ、絵描きなんだ」
もう一人がそう言ってレオンを呼び止める
「……だからなんだ」
「あんたたち見てるとさ、こう……気持ちが掻き立てられるんだよ。描きてぇ…描きてぇ……ってさ。
分かる?」
「皆目理解できんな」
レオンはそう冷たく返し、目を合わせようともしない
「ちっ、もったいねぇなぁ……何でもいいからさ、とにかくオレたちのアトリエに来てくれよ。ちょっとの間モデルになってくれりゃあいいからさ」
「失せろ。これ以上何か言うようなら……殺す」
ついにミゲルが剣を抜き、脅すようにそれを構えた
「ああ? テメーみたいな蛮族には興味ねーんだよ、ケチュア人。引っ込んでな」