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果てのない海に呑まれて
第19章 芸術の都
レオンの眉がぴくりと動いた
「……待て、ミゲル」
小さな声で側近の名を呼ぶと、リリアと共に一歩前に出た
リリアは彼が二人を殺すのではないかとーーーそう思ってしまうほど、彼は恐ろしかった
「……いいだろう」
だが驚いたことに彼は急に笑顔を浮かべ、男たちに了承の意を示した
「えっ…レオン、何を……」
「リリア、お前も良いな」
「…っ!……はい……」
有無を言わさぬその口調にそう答えざるをえない
レオンはミゲルの方を振り向いた
「では、後のことは任せた」
「……ハァ」
ミゲルはため息をついて剣を鞘に納める
「どうせ何を言ったって無駄だろう。分かったからさっさと行ってこい」
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