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果てのない海に呑まれて
第20章 違われた約束
「……リリア」
レオンがスッと優しい声になって自分の名前を呼ぶ
リリアはすぐにその傍へ体を寄せた
「騙すような真似をしてすまない。お前を巻き込みたくはなかったのだが……」
首を左右に激しく振る
こうして無事でいてくれたのだから、それだけでもう充分だ
レオンは自分には遠く及ばないほど先を見ているのだと気付かされていた
「外でミゲル達が待機しているだろう。呼んできて、お前は誰か一人と一緒に船に戻っていろ」
「嫌よ!」
即座に断ったリリアにレオンは少し驚いた顔をする
「足手まといにならないようにするから……だから、傍にいさせて。
さっき言ってたお祭りのこと……私、知らなかった。そんな危ない目に遭っていたなんて。
そんなの嫌……貴方が危険に曝されるかもしれないのに、一人で待っているなんて出来ない」
「……」
レオンは彼女の瞳をじっと見つめーーー
深くため息を吐いた
「私だってお前を危険に晒したくはないのだがな……。
これから何があっても私の言う通りにするか?」
レオンと共にいたいが為にリリアははっきりと頷く
「私が言うこと以外はしないと誓えるか? 逃げろと言えばすぐに逃げるか?」