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果てのない海に呑まれて
第20章 違われた約束



「…っ……」



一瞬体が固まる

頷きが留まる





「……約束するわ」



それでもリリアはそう言った



「ではミゲルを呼んできてくれ」



言われた通りに扉を開けて外を窺う

一見すると誰もいなかったが、彼女の姿を確認してか皆ゆっくりと物陰から現れた



「……お前も行くのか」



その場を動く気配のないリリアにミゲルが冷たく訊ねる



「ええ、行くわ」



リリアはそれに臆することなくはっきりと答えてみせた



「……」



ミゲルはそれ以上何も言わずに部屋の中へと足を踏み入れた



「では、行こうか」



暗殺に失敗した男たちは後ろ手に縛られながら前で誘導するよう背中を押された

観念したのか、下を向いたままおとなしく先を歩き出す



二人が向かったのは、その家の裏口だった



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