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果てのない海に呑まれて
第20章 違われた約束



そうして暫く進んでいくうち、大きく開けた場所に出た



"…綺麗……"



リリアがそう思ってしまうほど、その景色は素晴らしかった



風でのみ波を立てる静かな水面《ミナモ》は海とはまた全く違う表情を魅せ、

白鳥たちがその上で戯れる

その向こうに聳える立派な邸もそこにもう一つの居城を創り出していた















「着きましたぜ…ここがドン・リーディエ様のお城でさぁ」



船頭はそう言うと、邸の人間か、別の男と少し言葉を交わしてから近くの揚場で客を降ろした







「私はレオン・ファルツという者だ。ファルツ家の総代としてドンにお会いしたい」



「……例の…?……」

「…ファルツの……」



計画通りならとうに死んでいるはずの男の訪問に邸の人々は動揺する



「……総代相手にこの態度とは、リーディエは随分と"ファルツ"に無礼を働いてくれる」



レオンの大きな独り言に使用人たちは更に慌て出し、数人が邸の奥へ飛んで行った



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