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果てのない海に呑まれて
第22章 移ろいゆく薔薇の中で
「ニノがどうかしたか?」
「連れて行かないの?」
「……」
リリアの気持ちを読んだレオンは、ミゲルの姿を探して此方に呼びつける
「ニノの役割はどうなっている?」
「は? なんだ突然?」
「リリアがニノも連れて行ってやりたいそうだ」
それを聞いてミゲルはため息をついた
「それは駄目だ。あいつに護衛としての技術は教えていない。連絡係として使っているだけだ」
「だ、そうだが……」
「でも……」
自分のことを話していると察したのか、ニノはサッと三人から顔を逸らした
「……ではこうしよう」
レオンは何かを思い付いたのか、ニノ、と大きな声で少年を呼んだ
主人側の人間に直接呼ばれるのは初めてらしく、ニノは驚いた顔をしておずおずと前に進み出る
「お前、馬を扱ったことあるか」
「えっ?」
「別に乗ったことがなくてもいい。ただ普段接する機会があるかということだ」
「皆さんが使われた馬を厩舎に引いていったりはする…しますけど」
ニノもリリアも質問の意図が分からず首を傾げた