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果てのない海に呑まれて
第22章 移ろいゆく薔薇の中で
「でもすぐには分からなかったってことは……」
ジェーニオはミゲルの意見などはなから聞く気もないらしく、勝手に話を進めてゆく
「今は彼女自身に惚れてるってことなのかな?」
「もっとありえません」
ミゲルは、今度は全く躊躇うことなくそう言った
「……あ、そ。まぁいいけど」
ジェーニオはつまらなそうに話を切り上げると、ふらりと何処かへ行ってしまった
「……ミゲル」
「ハァ……なんだ」
訳のわからない問答に付き合わされたミゲルはため息をついて仲間の伝言を聞く
「さっき港にフィナルの船が着いたと連絡が」
「ああ、分かった。レオンに伝えておく」
立ち上がり、服に付いた汚れを払う