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果てのない海に呑まれて
第23章 夢追う男
「ああ、ぜひ頼む」
「お二人とも、船の中を自由に探検してご覧になってください」
「本当か!?」
レオンの瞳がより一層明るくなる
「兄上! 行きましょう!」
「あ、ああ……うん」
フェリペは困ったように一瞬父を振り返ると、相槌で許可が出たのを見てようやく弟の手に引かれて行った
「……」
「クリス、何してる。お前はお二人のお相手をするんだ」
「あ…う、うん」
楽しそうに話す美しい兄弟に目を奪われながら、クリスは急いでその後を追う
「……なんで付いてくる」
後ろを歩くクリスに気が付いたレオンが迷惑そうな顔で訊いてきた
「え、あの…えと……」
「何故、と訊いている」
「レオン、そんな言い方しちゃだめだ。彼は私たちを案内してくれようとしているんだから」
「……必要ありません」
兄が見も知らぬ子供を擁護したことでレオンはますます不機嫌になる