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果てのない海に呑まれて
第24章 始まりは皆



何も語ろうとしないミゲルにクリスは呆れたように息を吐き、立ち上がって後ろの食器棚を開けた



「おい、何を勝手に……」

「とりあえず再会を祝して乾杯といこうぜ。オレもお前も、いつ死ぬか分からねぇ仕事してんだ。こうして会えたのは奇跡だろ」

「乾杯って、お前酒は……」

「来た時ここに置いといたんだ。本当はレオンへの土産だったんだが、別にいいだろ。

フィナルの酒だ。強いぜ」

「……望むところだ」



旧友は口の端で軽く笑うと、クッと最初の一杯を仰いだーーー
















「初めて会った時から、いけすかねぇ奴だと思ったぜ」

「それはお互い様だ」

「オレが何言ってもニコリともしねぇ」

「初対面の人間に頭突き食らわせた上 甲板掃除させるような奴に愛想笑いも出来るか」












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