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果てのない海に呑まれて
第24章 始まりは皆
「なぁ、そんなとこでボーッと突っ立ってんなら手伝ってくれねぇかな」
一通り荷を積み終え下甲板から上がって来たクリスがミゲルに声を掛ける
「いや、それは……」
「何だよ、オレのオヤジが信用出来ないって?」
ミゲルが素早くレオンの方へと目をやったのを見て少し怒ったような顔のクリス。
「……」
「…チッ」
目を逸らし続ける相手に軽く舌打ちすると、クリスはいきなりミゲルに突進して行った
「ぐっ……!?」
ハッと気が付いた時にはもう遅い
クリスの石頭が強く鳩尾に入り、ミゲルは息を詰まらせてから激しく咳き込んだ
「ケホッ……なに、を…!?」
「この船で最年少のオレがこうやってファルツの護衛を出し抜けるんだぜ? オヤジに任せときゃなんの心配もいらねぇよ」
「……」
今のこの一瞬、敢えて自分を攻撃することでクリスはその実力と彼に敵意のないことを示した
「……で、何をすれば良い」
ミゲルは小さく頷いて態勢を立て直すと、若干の腹立たしさを含んだ言い方でクリスにそう訊ねた
「そうだな…じゃあ……」
クリスはサッと辺りを見回し、