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果てのない海に呑まれて
第26章 歪んだ憧憬



「なんか最近……彼の雰囲気が変わった気がするわ」



ただ強引だったものが、時折甘えるような素振りをーーー。



「嫌なのか?」

「いいえ、そんなことは!」



むしろ嬉しかったりもーーーこれが母性本能、というものだろうか



「……確かに変わったな。変わったというか、戻った」

「昔に?」

「ああ」

「それはいいことなの?」

「……」



ミゲルはどう答えるべきか一瞬迷いーーー



「捉え方次第だろう」



とだけ言った







******************************







「悪りぃな、こんな朝早くから」

「別に……いい。気にするな」

「……欠伸しながら言うことじゃねぇな」



クリスは苦笑しながらレオンと別れの抱擁を交わす



「次いつ会えるか……いや、会えるかどうかも分からねぇ。元気でやれよ。あと、くれぐれも無茶はするな」

「ああ。ミゲルもお前に同じことを言っていた」

「……ほんとか?」

「嘘だ」

「……」



だが、と真顔になってレオンは続けた


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