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果てのない海に呑まれて
第26章 歪んだ憧憬
「なんか最近……彼の雰囲気が変わった気がするわ」
ただ強引だったものが、時折甘えるような素振りをーーー。
「嫌なのか?」
「いいえ、そんなことは!」
むしろ嬉しかったりもーーーこれが母性本能、というものだろうか
「……確かに変わったな。変わったというか、戻った」
「昔に?」
「ああ」
「それはいいことなの?」
「……」
ミゲルはどう答えるべきか一瞬迷いーーー
「捉え方次第だろう」
とだけ言った
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「悪りぃな、こんな朝早くから」
「別に……いい。気にするな」
「……欠伸しながら言うことじゃねぇな」
クリスは苦笑しながらレオンと別れの抱擁を交わす
「次いつ会えるか……いや、会えるかどうかも分からねぇ。元気でやれよ。あと、くれぐれも無茶はするな」
「ああ。ミゲルもお前に同じことを言っていた」
「……ほんとか?」
「嘘だ」
「……」
だが、と真顔になってレオンは続けた