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果てのない海に呑まれて
第27章 愛故に。
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五つも歳の離れた妹だ
兄を慕うレオンにとってその間に割り込んでくる妹は鬱陶しくて仕方がなかった
「兄上、今夜はお勉強を教えてくれる約束では……」
「そのつもりだったんだけど……ごめんね、フローラがどうしても私といるってきかなくて」
兄の膝の上に乗るフローラをレオンは忌々しそうに見つめる
せっかく忙しい兄と共に過ごせる貴重な時間だったのにーーー。
「…っ……そもそもなんでフローラがここにいるんですか! こいつはあの女の子供で……」
「レオン、少し口が過ぎるな。こいつじゃないだろう。
それに、母上のことをそんな呼び方しちゃダメだ」
「……あんなの母上じゃない」
暗い声で呟くレオンにフェリペは困ったように小さく息を吐いた
「フェル…あねぇー」
「……っ」
「レオン!」
空気も読まず無邪気に笑う妹に堪えられず、レオンは思いっきりフローラを兄から引き離した
「乱暴は……!」