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果てのない海に呑まれて
第27章 愛故に。
「…レオ…あねぇー?」
「なっ……」
ぎゅっと抱きつかれ、大きな瞳に覗き込まれる
「あねぇ、しゅきー」
「……」
「クス…これでレオンもフローラの虜だな」
「別に……っ」
そう言いつつも近くの椅子にすとんと腰をおろしたレオン。
心なしかその耳は赤い
「自分の足で歩くようになってから、フローラは母上の目を盗んでは私のところに来る。
おかげで母上のジェーニオへの目が厳しくなるばっかりだ」
「……」
レオンはフローラにもされるがままに兄の話を黙って聞いている
「たとえ半分だとしても…私たちは兄弟なのにね……」
「あのおん…カタリナ様はそうは思ってません。私たちを目の敵にしている。特に私たちの本当の母上を……」
「うん……どうやっても私たちを母上に会わせないようにしてくる。
だからこそレオン、会える時にもっと母上とお話しして差し上げないと」
フェリペのお説教にレオンはふいとそっぽを向いた
「レオン」
「…何を話したらいいか、分からないんです」
「……」