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果てのない海に呑まれて
第4章 赤の魔物



「やるわ」



それを聞いたレオンはにやりと笑いリリアの細い首に唇を落とす



「……ッ」



微かに震えて身を硬くするリリア



「フ…」



その反応に満足気な表情を浮かべ、レオンは彼女を解放した



「え……?」

「とはいえ私も仕事があるからな。勝負は夜からにしてやろう。

それまでそこで十分に休んでおけ」



“まさか…遊ばれた……!?”



リリアは悔しそうに唇を噛む



「……こんな固いベッドじゃ休めないわ」



つんと顔を背けて気持ちを抑える

何に対しても反抗心を剥き出しにする彼女の態度にレオンは軽く笑って部屋を出て行った







「何をしていた」



下甲板に降りるとレオンの代わりに仕事をこなしていたミゲルが不機嫌そうな顔で尋ねてきた



「ちょっと賭けをな」

「どうせまた絶対に勝つような勝負を突き付けたんだろうよ」



ふん、鼻を鳴らして眉を上げる

ミゲルはレオンが時折見せる子供っぽさに呆れ果てていた



「随分と入れ込んでるな、あの女に」

「あれだけ抵抗してくる女は初めてだからな」



そう言いながらレオンも奪った荷の内容を確認し始める


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