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果てのない海に呑まれて
第28章 天乱る〈ソラミダル〉
「ぐっ……!」
その途中でレオンが彼女を受け止める
だが重力のかかったリリアの体は片腕で支えるには重過ぎた
勢いに負け態勢を崩すレオン
梯子から足が外れ、二人分の重みが左腕一本に集中する
「リリア!」
宙にぶら下がる形となったリリアにミゲルが叫ぶ
ズッ
「アゥッ…!」
滑り落ちた手が摩擦で擦れ、レオンが痛みに顔を顰めた
「…レオン、もう大丈夫だ。リリアを離せ」
その声と共にふっと体が軽くなる
ミゲルが二人のところまで登り、リリアが梯子に戻れるよう補助したのだ
「ハァッ…」
レオンは思わず大きく息を吐く
三人ともそのままゆっくりと移動すると、無事下まで辿り着くことが出来た
「来いっ!」
強く腕を引かれリリアは急いでレオンに従う
「全くお前という奴は……」
部屋に入るなり呆れた顔を向けられる
「またずぶ濡れだな」