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果てのない海に呑まれて
第29章 ヨイノトキ
「そ、そうなのか……」
さすがに彼の内心までは計り切れず戸惑った顔をするルチアーノ。
「なら見張りは代わってやるから少しその辺りを散歩して来い」
「……ああ」
”普段ならアウスグライヒの外でレオン様から離れるのをもう少し渋るんだが……”
やはりどことなく違和感を感じながら、彼はミゲルを送り出したのだった
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”久々の感覚だな……”
潮風を浴びながらミゲルは苦笑する
この想い
どうしたものか–––
ふと顔を上げると、目の前に見覚えのある裏路地
「ここは……」
裏にしては仰々しく飾り立てられた扉
ミゲルはそれに手を掛け、ゆっくりと押し開いた