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果てのない海に呑まれて
第29章 ヨイノトキ
レオンは少し物思うように目を伏せると、身支度を整え扉を開けながら言った
「このあと考える」
「……分かった。気をつけてね」
パタン
「……ミゲルは?」
レオンは扉の外にルチアーノしかいないことに顔を顰めた
「少し酔ったそうなので、船を降りて散歩するよう言いました」
「はぁ? 酔った?」
わけがわからないといった様子だ
「困ったな……会合にはお前かあいつを連れて行く予定だったのだが」
「そしてどちらかはリリア様の見張り、と」
「馬鹿、護衛と言え」
レオンはジロリとルチアーノを見てから、優しい顔で船室の方に目をやった
「あいつはもう約束を違えたりしない」
”……たっぷりと仕置きもしたしな”
–––若干意地悪な笑みも含ませながら。