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果てのない海に呑まれて
第31章 交錯
「えーと、色々確認しなきゃいけないみたいだ」
わざとらしく咳払いしながらレオンの方に向き直る
「まずさっきの話の続きだけど、半年くらい前にある噂を聞いたんだ。
君、金髪の美少女を囲っているんだって?」
「まぁ、否定はしない」
–––言い方はカンに触るが。
「遊んでばっかりかと思ったけど、意外と一途なんだね」
カレルが昔のレオンを思い出して面白そうに笑うと、レオンの方も
「ああ、私もここまで一人の女に入れ込むとは思わなかったな」
と軽く返した
「そうだね……ただの女なら良かったんだけど」
ため息とともに空気が変わる
「その女、シエラから連れ帰った孤児だそうじゃないか」
「何か問題でも?」
「由緒正しいファルツ家の男子が、そんなことでいいと思ってるの?」
「……」
レオンはいい加減苛立ち始めていた
だがここでそれを出したら負けだ