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果てのない海に呑まれて
第31章 交錯
「……?」
次に姿を現わすであろう人物に、皆不安を隠せない
リリアだけが、ケチュア人という旧友に裏切られた衝撃からまだ戻って来られずにいた
「さっき“誰もサラディに逆らおうとはしなかった”と言ったけれど、彼ら…彼だけは違うんだよね。
まぁ交渉に来てくれているだけマシなんだけど」
再び扉が開くと、先ほどの部下が一人の男を後ろに付け戻ってきた
「……!」
空気が、変わった
一瞬でその場を支配するような
群れを率いる者の野生的な雄々しさ–––