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果てのない海に呑まれて
第31章 交錯
「彼らにも彼らの誇りってものがあるらしくてね。リーをはじめとする大多数はサラディ家に協力してくれないんだ」
何人かは違うけどね、とリリアを取り囲む男たちを見る
「でもそれも今日で終わりだ」
カレルはリリアに近付くと、突如彼女の手を取ってその甲に口付けをした
「……!?」
「これからギスタール家とサラディ家は一つになる。
リリア、君が僕に嫁ぐことでね」
誰もが驚きのあまり声を出せなかった
「嫁ぐ? コイツがお前にか?」
そしてその沈黙を冷めた声で打ち破ったのは、レオンだった
「お前には既に妻がいるはずだ」
「そんなもの、どうにでもなる。君のお父様のようにね」
「……」
“…こいつ……”
リリアをあの女と同じ立場に貶める気か
そうまでして地位と権力を手に入れたいのか
だが–––