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果てのない海に呑まれて
第31章 交錯
「クッ...クックッ......」
レオンは口元を押さえると、堪え切れずに笑いを零した
「そいつがお前に扱えるとは到底思えないがな」
「なんだって?」
「まぁいい。欲しいならくれてやろう。祝いの品も何か特別なものを送ってやる」
カレルは探るような表情を浮かべレオンを見ている
「……強がるのはやめた方がいい。彼女を危険に晒すかもしれないと分かった上で離れずにはいられなかった。それほどの仲なんだろう?」
「馬鹿を言うな。本当に大切な女ならどんなに頼まれたところで危険に晒すような真似はしない」
リリアが小さく息を呑んだ
「彼女がどうなってもいいって?」
「……」
そんな彼女にゆっくりと近付くと、レオンはその頬に優しく触れた
「……最初にお前を見た時」
二人の視線がそっと絡み合う
「使えると思った。サラディ家との関係にな」
ギスタール家の生き残りを擁すれば、サラディ家に対してもう一度優位に立てる–––