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果てのない海に呑まれて
第36章 迷い



リーは更にその先を続ける



「だがその行動がレオンの指示なのか君の独断なのかまでは分からなかった。そして君も言うつもりはないだろう。

だからわざわざ君に声を掛けたんだ」

「俺個人に、か……」



リーは遠くを見るようなミゲルの表情をじっと観察する

おそらくリリアのことを思い浮かべているのだろう



「なら答えは簡単だ。

断る」

「……!」



実に簡潔だった

そしてそれはリーの予想を裏切っていた



「本気か? 君に彼女を見捨てられるとは思えないが」

「出来るも出来ないも関係ない。レオンがそう決めたなら、俺はそれに従うだけだ」

「どこまでも主人に忠実、か……」



仲間に裏切られ大切な人を奪われた自分とは大違いだ



「ならもう一度提案しよう。君の主人に」

「…ファルツは……」

「ファルツは関係ない。レオンに伝えてくれ」



その言葉にミゲルの表情は変わらない

変わらないが、内心では驚いていた


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