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果てのない海に呑まれて
第36章 迷い



「なんでコイツは連れて行かないんですか」

「レオン、口が悪いよ」



兄に諭され拗ねるレオンに半ば呆れながらも微笑ましく思いながらベルナルドは説明した



「今回の責務をこなすにはミゲルはまだ幼い……その代わりルチアーノを連れて行くから何も心配はいらん」

「そうではなくて……」



ミゲルと留守番をさせられることが嫌なのだが。

とはいえ連れて行かれたら行かれたで、兄の側に居られることに嫉妬しただろう



「…ハァ」



レオンは諦めたようにため息をつく



「分かりました。お仕事、上手くいくといいですね」

「ああ」

「行ってきます」



二人を乗せた馬車が見えなくなると、レオンはすぐに自分の部屋へと戻っていった







「……」

「……」

「……何故ついてくる」

「私はあなたの側付きですから」

「……」



与えられた仕事をただ淡々とこなす

この頃のミゲルは、機械的過ぎて少し気味が悪かった


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