この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
果てのない海に呑まれて
第36章 迷い
「……取り敢えず、お前は私の部屋に入るな!」
ミゲルの鼻先で扉が勢いよく閉められる
「……分かりました」
数秒遅れて、ミゲルは小さく返答した
******************************
「あーにーうえ! あっそびましょ!」
明るい声を響かせフローラがひょっこり顔を覗かせる
「また来たのか。カタリナ様に怒られるぞ?」
ため息をつきながらも、レオンの顔は喜びを隠しきれない
「母上はジェーニオ兄上に付きっきりだから大丈夫! それに兄上と一緒にいたいんだもの!」
兄の腕の中に飛び込み、ぎゅっと抱き締める
豊かな金色の髪がレオンの頬をくすぐった
「分かった分かった……それで、何をして遊びたい?」
「んーとね……それ!」
フローラは部屋の隅に置かれていてた盤と駒を指差した