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果てのない海に呑まれて
第37章 代償
「ベルナルド様」
「ん……直ぐに部屋で対策を打つぞ」
「はい」
ルチアーノに呼ばれやって来た側近を連れ、ベルナルドも急いでそこを後にした
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「レオン!」
フローラに居場所を聞き出し、フェリペがやって来たのは海に面したあの部屋。
初めて船に乗ったあの日から、レオンにとってこの部屋が一番のお気に入りになった
海の彼方を見つめ、いつか自分もあの中に溶けていきたいと–––
「……」
だが今日は眩しい陽光を嫌ってか、窓から離れ部屋の端に小さくなっている
「レオン」
「あ……お帰りなさい、兄上」
今気づいたというように顔を上げたレオンは、疲れた目をしている
まるでほとんど眠れていないようだ
「……駄目だろう、共も付けずに」
「…ごめんなさい」
「ミゲルはどうした?」
途端に顔が曇る
「ここを出て行ったって聞いたけど、どうして?」