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果てのない海に呑まれて
第37章 代償



「ベルナルド様」

「ん……直ぐに部屋で対策を打つぞ」

「はい」



ルチアーノに呼ばれやって来た側近を連れ、ベルナルドも急いでそこを後にした



******************************







「レオン!」



フローラに居場所を聞き出し、フェリペがやって来たのは海に面したあの部屋。

初めて船に乗ったあの日から、レオンにとってこの部屋が一番のお気に入りになった



海の彼方を見つめ、いつか自分もあの中に溶けていきたいと–––



「……」



だが今日は眩しい陽光を嫌ってか、窓から離れ部屋の端に小さくなっている



「レオン」

「あ……お帰りなさい、兄上」



今気づいたというように顔を上げたレオンは、疲れた目をしている

まるでほとんど眠れていないようだ



「……駄目だろう、共も付けずに」

「…ごめんなさい」

「ミゲルはどうした?」



途端に顔が曇る



「ここを出て行ったって聞いたけど、どうして?」


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