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果てのない海に呑まれて
第37章 代償
“レオン様……!?”
白馬は闇を駆け抜ける
口を開けば舌を噛みそうで、ミゲルは何も尋ねることが出来なかった–––
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取り残された男たちは何が起こったのかも知らぬまま、茫然とその場に立ち尽くしていた
「お、おい、早く明かりをつけろ」
一人がはっと気が付いてようやく慌て出す
「何だったんだ今のは!?」
「あ…っ!」
子供が消えたことを認識するまで、時間がかかり過ぎていた
「……逃げるしかないな」
二人はしばらく相談し、自分たちの安全の為にそう結論を出した
が–––
「そこで何をしている」
「ひっ……」
突然声を掛けられて驚きと恐怖の声をあげる
「あ、あんたは……!」
直接会ったことはない
しかし上等な服と、そこにあしらわれた薔薇の紋様